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2017/07/21 16:28:32

【イベントレポート05】TeamSpirit Day 2017:チェンジウェーブ 佐々木様 働き方改革を実現する意識改革とは? 〜意識を変えるなら、論より実験!〜

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2017年5月9日、東京コンベンションホール(東京・京橋)で開催されたTeamSpirit Day 2017では、現在TeamSpiritをご活用くださっている「株式会社チェンジウェーブ」の代表 佐々木裕子氏にもご登壇いただきました。

この記事では、その講演内容をレポートしたいと思います。

<この記事の要約>

・働き方改革を行うには、意識改革をしないと始まらない
・過去の成功体験を引きずり「この職種の働き方はかくあるべし」という固定概念をを変えるには、新しい成功体験が必要
・新しい成功体験を作るためには「論より実験」しかない!
・次のステージは、新しい働き方に見合った評価制度を考えること

冒頭、佐々木氏は社名の由来について、

「人の本当のエネルギーが発揮されると、それが豊かに波のように広がっていくものです。そうした"変化のイメージ"にちなんで名付けました」と紹介。
「組織変革アドバイザリー」「変革リーダー育成」といった組織の変革を企業の担当者と一緒になって取り組むというサービスを提供する中で得られた知見や、「働き方改革」を進めるにあたっての参考事例を、以下のようにご紹介くださいました。

「働き方改革」を阻む最大の呪縛は...

さて、みなさんの会社やチームでは「働き方改革」がどの程度進んでいるでしょうか? 「正直なところ、あまり進んでいない」または「実は着手すらできていない」という企業もあるかもしれません。

実際のところ、変革屋として企業の働き方や意識の改革を促している佐々木氏も実感としてそのように感じているとのことでした。

「先進企業はもちろん、どんな企業でもこれを行うことは難しいものだと認識されているようです。2017年3月15日に発表されたGoogleのWomen Willというプロジェクトによる調査では、『働き方改革の現状を見ると、『働き方改革は世間で言われているほど、推進されていない』が 81.4 %。同様に、『働き方を変えたいが、具体的な方法がわからない』が 68.7% 、『働き方改革の取り組みが現場社員に浸透している』が 20.3%と出ていて、世間で話題になってはいるものの『働き方改革はまだまだ進んでいない』という現状があるようです』

そうした上で、

「なぜ『働き方改革』が進まないのかというと、それは現場で働く人たちの不満や不安、『きっかけがない』ということが挙げられるようです」とし、日頃企業と接する中で知った「企業の"胸の内"」を次のように紹介してくださいました。

公演の様子

働き方改革の光と影の例

〜企業成長の土台を担う営業や顧客対応部署においての働き方改革への意見〜

  • 緊急対応や突発対応への対応力が勝負になるのに、働き方改革のせいでそれができなくなるのは困る
  • 「戦略部門なのにこのメンバーはありえない」という幹部の本音
    時短やプライベートを優先する必要があるメンバーは、メインストリームの事業を担うことが難しく、そんな職場に働き方の多様性を持ち込むのはまだまだ厳しいという見方
  • 働き方改革の対象にすらならない聖域がある
    たとえば、接待、ゴルフ、飲み会が成果に結びついてしまう場合、本当は仕事を続けたいけれど諦めざるを得ない、と思ってしまう
  • 部下に働き方改革をさせてあげられても「自分はムリ」と思ってしまう役職者がいるという現実
  • リモートワークの義務化や☓時強制終了というルールVS 新たな抜け道とのいたちごっこ
  • 時間あたりの労働生産性という概念とその限界
    8時間と10時間で同じアウトプットなら、10時間の方がいい、と思ってしまう価値観

これらを見ていると、理想とする働き方と現実とのギャップを感じざるを得ないでしょう。お読みくださっている方の中にも「これは分かる! 確かになぁ」という点があるかと思います。

こうした意見を総合して、佐々木氏は働き方改革を阻む最大の呪縛について、次のように語りました。

「組織を変革したり、理想的な働き方に変えようとしてもなかなか難しいのは"個人の意識"が容易に変えられないからだと思います。特に、責任感という心理的ハードルや、働き方を変えることで『職務をまっとうできないのではないか?』という不安、そして、これまでの成功体験が足かせになっている、という現状が見えてきます。

こうした考え方を持つ働く人たちに対して変革を起こすことは簡単ではありません。なぜなら、本人たちが超過労働や弊害のある働き方に対して『世の中はこういう風に動いているのだから、自分も成果を出すには同じようにする必要がある。やり方を変えることはリスクになる』と考える強烈な思い込みや固定観念を持っているからです」

その上で、

「こうした考えを持っている方に何を話しても意識を変えることはできないでしょう。そのため、新たな成功体験を作っていくことが必要です。特に、若い世代にも働き方に関する固定観念が引き継がれているケースが多く見られますので、それも変える必要があると感じています」と、見通します。

いつかは管理職に、と考える男性
仕事は好きだけど続け(られ)ない女性

営業職は、成果が得られたときの充実感はあるものの、たとえば接待や転勤など、業務か否か、区別が付きづらい活動が"求められる"職種でもあると言えるでしょう。さらに、接待や転勤が成果に結びついたり、昇進に繋がる、と考えられてきたものです。

この考え方の是非はさておき、依然としてこうした考え方が根深く残っており、仕事との向き合い方にも反映される、ということを示す象徴的なデータが紹介されました。

以下は、営業職の女性の活躍を実現する方法を模索するプロジェクト「新世代エイジョカレッジ」で行われた調査「エイカレ白書」の一部の資料です。

エイカレ白書 の引用 4ページ

営業職が好き 女性:69.3%、男性:60.7%
営業の仕事を続けたい 女性:28.9%、男性:33.6%
営業で管理職になりたい 女性:22.9%、男性:49.3%


「エイカレ白書」の一部の資料

女性の仕事への意欲に強く影響するのは、まさに転勤や接待といったこと。

これらが重要だと思う人ほど、仕事に対する意欲は高かったようです。しかし、結婚や出産というライフイベントを前に、「転勤や接待をすることが難しい」と判断し、「仕事を続けられない」と考えてしまうケースが見られたそうです。

「エイカレ白書」の一部の資料

一方、男性の場合、過去の成功体験を重視する傾向にある人ほど管理職になりたがる意識が見て取れ、「今は我慢して仕事をする。そしていつかは管理職になれたら......」との考え方がみられました。

結論として、それぞれ一定の不満がありながら、仕事をしているのが現実だということだと思います」と、佐々木氏は読み解きます。

こうした「営業とはかくあるべし」という考え方で仕事に向き合うのではなく、

「『どう生きたいか?』ということを考え直し、固定観念で知られている働き方や成果の出し方でなくとも成功に近付くことができる、という体験ができるようになることで初めて意識改革ができるのだと考えます」と、見通しました。

では、新しい成功体験を享受するにはどうすればいいか? 佐々木氏は「まずは実験してみることが意識改革を促すための方法のひとつです」と言い、次のような事例を紹介してくださいました。

なりきりママ 働き方の多様性を実践する実験

前提:ある企業の営業職の女性5名が「なりきりママ」になり、突発的な休みや時短勤務を行いながら仕事を進めるという実験をしてみた。

結果:残業時間が減り、自分でスーパーに行く機会ができたことで「自社の製品がこうやって棚に並んでいるのか」という気づきや、「この商品は自社の製品に合いそうだ」という新たな価値提案ができるという成果が生まれた。

実験を始める前は大反対していた上司も「これはいい! 全社で広げるべきだ!」と認めるほどになった。

時短勤務をしてみる実験

前提:ある会社に、ハイパフォーマーとして知られる部長。いつもバリバリ仕事をこなしていたが、本人は「実はカラダがキツくてたまらない。けれど部下に頼れない」と考えていた。この部長に「時短勤務」をしてもらう実験をしてみた。

結果:時短勤務をするために、部下を頼らざるをえない環境ができた。

このことが仕事の分権化につながり、仕事の幅や責任のある仕事を行う機会が増えたことで部下の能力が上がった。また、当人も仕事がしやすくなった。

この実験を行ったことで本人だけでなく周囲の意識改革も進み、最終的な結果として「チーム全体の能力が上がった」という好循環が生まれた。


2つの事例に登場する企業では、今でも紹介したような取り組みを続けているのだそうです。この成果はもちろん素晴らしいことですが、「意識改革は『論より実験』」ということが証明できたことは、今後「働き方改革」を推進していく上でも有意義なことだったと言えるでしょう。

では、実験をするにあたってのポイントはどんなことでしょうか? 佐々木氏は次のようにまとめました。

意識変革をするには、啓蒙やセミナーを受講することではなく、体験をするしかない! と、私は考えています。また、実験するなら、小規模なグループを対象にやってみること。そして、取り組みの最中は周囲や人事が支援する体制が不可欠である、ということが見えてきました。

始めるに当たっては、PDCAではなくDCAPで展開すること。つまり、『本当はどうしたいか、どうなりたいか? 何のために働き方改革なのか?』ということを改めて確認し、それを実現するために逆算して考え、実験してみることが大切だ、ということです」

この考え方は「働き方改革」の推進に苦慮している企業にとって、参考になりそうですね!



働き方改革の次のステージは、評価のあり方を考えること

さて、「自由な働き方を実現することは望ましいけれど、これまでとは違った条件で行われる仕事に対して、評価を行うことは難しい」と考える向きは多いように感じられます。

たとえば、ハイパフォーマーだけど時短勤務の人と平均的に仕事をしてくれるフルタイム勤務の人を同じように評価することはできるのか? という課題は、管理職や人事担当者にとって悩ましいものでしょう。

多様な働き方を実現できるようにするためには、これまでの人事制度や評価制度を度外視して、最適な方法を模索することが必要であり、経営者や管理職にとっては新たなマネジメントの手法を模索することと同じだと言えるでしょう。それには想定外のコストがかかる場合も出てくるかもしれません。

さらに、その根底には、変化を受け入れる胆力や働く人それぞれがバラバラにならずひとつの目標に向かって進んでいくためのビジョンを強く示すことも求められます。

こうしたことを考えると、管理職や経営陣の中には「本当に『働き方改革』はできるのかな?」と、不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そうした時にこそ、小さな実証実験をやってみると成果がわかりやすく「企業全体にこの変革の波を広げるべきか否か?」を判断しやすくなることでしょう。

佐々木氏は最後に、

「意識変革のためには、マネジメントも働く人も関係なく『実験してみること』が重要だと私は考えています。実験を行うことはイノベーションの根幹だと言えます。実際に私の会社では、評価制度や意識改革の方法、多様な働き方について実験を繰り返しているわけですが、そうした取り組みを続けていると、その事自体や想いに共感して、思いもよらない人材が『一緒に働きたい』と集ってくれるようになりました。

そうすると、その人がいるから『こんな仕事ができる!』と新しい事業が生まれていくことになります。事業計画を考えなくても人が集ってどんどん新しいアイデアが生まれてくる、これはイノベーションのDNAとも言えることです」と結びました。

昨今、「働き方改革」として、時短勤務やテレワークのほか、年次有給休暇を時間単位で取得してもらう「時間休制度」といったワークスタイルにも注目が集まっています。また、事例で紹介したような職場で働く人のニーズを捉えた「働き方改革」の実践も興味深いものです。

これらについて「自社にも導入したいけれど、一気に導入すると考えると混乱や反発などが予想されるな......」と考えているなら、まずはパイロットケースを試してみるのはひとつの手ですね。

さて、みなさんはどんな「働き方改革」の実験を行いますか?

エイカレ白書の概要ページの図

<詳しくはこちら>
https://www.slideshare.net/EijyoCollege/ss-72020951

<新世代エイジョカレッジ公式ウェブサイト>
eijyo.com

<株式会社チェンジウェーブ 公式ウェブサイト>
changewave.co.jp


<関連リンク>

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