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2017/11/20 11:00:00

地球の働き方 〜海外における働き方改革ムーブメント(前編)

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「働き方改革」というと、年功序列・終身雇用・新卒一括採用などに代表される日本的経営、高度成長期からバブル期にかけて実現した「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の成功体験、品質やおもてなしに対して高い(時に過剰な)こだわりを持つ日本人的気質、といった様々な要素が融合してできあがった日本人的「働き方」に対するチャレンジだという意味で、日本独自の問題のように思われます。ですが、果たして海外ではどうなのでしょうか?働き方改革のムーブメントは起こっていないのでしょうか?



シンガポールのWork-Life Strategy

ご存知の通り、シンガポールは国土が東京23区と同じ程度で天然資源もほとんどない小国です。よって、「人」が国を支えていく上で貴重な資源であり財産である、という考え方を建国の当初から国全体で共有しています。

その「人」という資源を活かすための施策の一つが、厳しい教育システムです。

たとえば、小学校から中学校に上がるためには「小学校卒業試験」(Primary School Leaving Exam)にパスしなければなりません。パスできなければ、小学生といえども卒業できず、留年してしまうのです。小学校卒業以降も世界最高水準の教育を提供し、シンガポールに誘致した日本や欧米の企業に競争力の高い優秀な人材を供給することで発展してきました。

今では一人当たりのGDPは日本を大きく超え、街にはベンツやBWM、時にはフェラーリやランボルギーニが走っています。

そんなシンガポールですが、政府やメディアは国の将来性を必ずしも楽観視しているわけではありません。理由の一つは、日本と同じ少子高齢化。もう一つは、昨今のナショナリズムや保護主義の台頭によるグローバライゼーションの停滞に対する懸念です。

ここでは詳しい説明はしませんが、シンガポール政府は、継続的な経済成長を実現し国民の生活を豊かにするためには、労働者のワークとライフのバランスを取りつつ、生産性を向上させることが非常に重要であると考えています。

そのため、「Work Life Strategy」というイニシアチブを掲げて、労働者が働く時間や場所を柔軟に選択できる制度の導入を推奨したり、通常の年次有給休暇以外に、家族の状況に応じて柔軟に取得できる休暇制度を設けるといった支援を行っています。

また、労働者の生産性向上という点では、SkillsFuture制度と呼ばれる、労働者に対して継続的な再教育(リカレント教育)の機会を提供するプログラムを通じて、仕事のスキルと生産性を向上させたり、雇用のミスマッチを防ぐといった取り組みを行っています。

ただ、シンガポールでは、日本のように「長時間労働」が問題になることはあまりありません。人事評価が「働いた時間」ではなく「成果」をベースに行われていることと、雇用の流動性が高いため、仮に長時間の残業を強いられる職場では優秀な人からすぐに辞めていってしまう、というのが主な理由ではないでしょうか。



フランスのつながらない権利

続いてヨーロッパに目を向けてみましょう。ヨーロッパといえば、夏は数週間のバカンスを普通に取り、クリスマス前後にも長い休暇をとる・・・というイメージが強いですね!日本の働き方改革の話をしたら鼻で笑われそうですが、やはり働き方改革とは無縁でしょうか・・・?

しかし考えてみれば、つい最近日本でも話題となり、一部の先進企業で導入が進んでいる「勤務間インターバル」は、元々EUで導入されたものを参考にした制度です。また、今年1月にフランスで施行された「つながらない権利」に関する法律をご存知の方も多いのではないでしょうか。

「つながらない権利」とは、就業時間外に発生する仕事に関連した電子的なコミュニケーション(Eメールやメッセージなど)を拒否できる権利で、フランスで今年の始めから施行されています。

背景としては、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスの普及によって、仕事と家庭との境界が曖昧になっていることが挙げられます。このようなデジタルツールの利用は、働き方の自由度を上げるという点では有益ですが、一方で、際限なく仕事を続けることができ、歯止めが利かなくなるというデメリットも指摘されています。

フランスのお隣ドイツでも、法律こそありませんが、同様の動きがあります。たとえば日本でも有名なフォルクスワーゲンなどは、2011年以降、午後6時から翌朝7時まで、Eメールが従業員の携帯電話に飛ばないようにサーバーを停止させる制度が導入されているそうです。

デジタルデバイスの普及により仕事とプライベートの区別がつきにくくなっているのは、日本も同じです。いずれ日本でも、つながらない権利を導入する企業やそれを支援するITソリューションなどが出てくるかもしれません。

>>>後編に続く

次回、後編では第4次産業革命をリードするドイツと、ディスラプティブ(破壊的)イノベーションを起こし続けるシリコンバレーの働き方を見ていきます。

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