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セールスフォースのクラウドと「TeamSpirit」を使い倒す魂のBlog

2013/11/07 02:07:10

Salesforce Customer Company Tour Japan 2013 詳細レポート(2)

ERPのフロントウェアをクラウドの一元的なサービスとして導入するメリット

2013年10月30日に開催された「Salesforce Customer Company Tour」のブレイクアウトセッションには、チームスピリットの代表取締役社長 荻島浩司も登壇し講演を行いました。まずは荻島からチームスピリットの紹介を行い、続いて現在チームスピリットを活用している株式会社日本総合研究所 情報システム部 部長の魚木 正氏に、チームスピリット採用の理由とその評価についてお話ししていただきました。

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ERPのフロントウェアをクラウドで一元的に提供する価値とは

チームスピリットでは、2年前にSalesforce.comから資本提供を受け、100%クラウドのサービスであるERPのフロントウェアを提供しています。これは、勤怠管理、就業管理、経費精算など「従業員が毎日行う作業を効率化するためのものです」荻島。こういったフロントウェアの機能は、これまでは業務ごとにバラバラな製品を使うのが一般的な考え方でした。しかしチームスピリットでは、この常識を捨てこれらの業務システムをセルフサービスのワークフロー機能として再定義されています。

「チームスピリットは、Salesforce.comのForce.com 100%で構築されており、ERPとの連携も実現しています」と荻島。グローバル企業の事例としては、Salesforce.comの日本法人で利用されており、高度なセキュリティ環境を求めるグローバル企業でも安心して利用できることが証明されているとビデオで紹介されました。

ところで、チームスピリットで提供しているERPのフロントウェア機能は、ERP自体に実装すべきなのではとの疑問もあります。その疑問に答えてくれたのが、日本総合研究所の魚木氏でした。日本総合研究所は、三井住友フィナンシャルグループのグループ企業であり、システムインテグレーションとコンサルティング、さらにはシンクタンク事業を行っている会社です。

「日本総研では、順次システムを入れ替えながら運用しています。たとえば人事のシステムなら、ホストからパッケージに移行し、会計についてもSAPのERPを導入しています。勤怠管理部分は自作のアプリケーションを利用してきました」と魚木氏。パッケージを使うべきところと、そうしないほうがいい部分があるというのが、日本総研の判断なのです。

また、内製で構築したシステムについては、ソフトウェア資産として5年間の償却期間というものがあり、5年ごとに構築をし直すことになります。そうなると、開発コストのピークがその5年サイクルでおとずれる課題もありました。そして「いったんオンプレミスで作ってしまうと、出来上がった瞬間から陳腐化する課題もあります」と魚木氏は言います。

ERPにフロントウェア機能を加えてしまうとコスト増になりかねない

日本総研では、ERPで提供する部分とERPで提供しきれない部分とに明確に分け、それらを組み合わせた構成でシステムを運用してきました。その1つの理由が、ERPにフロントウェアの機能を加えてしまうとコストが跳ね上がってしまうというのがあります。これはフロントウェア部分が社員全員が利用するものなので、人数分のソフトウェアライセンスが必要になるからです。これでは、おいそれとERPパッケージに機能付加する判断はできません。

そういった理由からも、自社開発のシステムを運用してきたわけです。とはいえ、「自社開発だと他の会社はいったいどこまで作り込んでいるのかといった不安もありました。自分たちは必要のないところまで作り込みすぎているのではと、気になっていたのです」と魚木氏は言います。企業競争力を高める差別化要因部分は自社開発で機能追求すればいいのですが、業務効率化を目指すところはなるべく標準的なものを利用したい思いもあったのです。

5年単位での技術の見直しといったサイクルから抜け出したい、独自性が少ないシステムは自社内では作りたくない。そういった理由から自社開発を止め、新たに選択したのが100%クラウドサービスのチームスピリットでした。自分たちで構築すれば償却資産になりますが、クラウドなら単年度の経費計上で処理できることも採用理由の1つでした。

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じつは、自分たちでForce.comを用い、その標準機能で構築できないかを検討したとのこと。ところが、チームスピリットのデモンストレーションを見て「勤務と工数管理が同時にできるアプリケーションであり、我々の要件を満たすと判断しました」と魚木氏は言います。

旧来の手作りシステムでは、業務現場からの過剰な要件を取り込んで構築していたために「かなりスパゲッティー状態になっていました。ほかの会社の状況もわからず肥大化したシステムとなっていたのです。スリム化にも取り組んでいたのですが、あまり効果はなかったようです」と魚木氏は言い、今回のチームスピリットの採用で無駄な労力を投入していたことが明らかになったとのことです。そして「短期間でチームスピリットの機能と同じものを実現するのは困難だと感じました。チームスピリットを採用することで、システム導入までの大幅な時間短縮ができると考えました」と魚木氏は言います。

また、従来の手作りの状況では、業務部門からのリクエストに応じ機能更新をしていました。なので、たとえば法改正などがありそれにいち早く対応すべきでも遅れてしまうこともあったのです。これが、チームスピリットなら、法制度への対応なども要求しなくても自動的に行われます。この点もメリットとしては大きいとのこと。さらに、「チームスピリットが業務のベンチマークとなるというのもあります。自社業務のやり方が世間から乖離している場合があり、それにシステムを合わせるのではなく業務運用上の課題として捉え、業務プロセスのほうの改善に取り組むようにもできます」と魚木氏は指摘します。

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今回チームスピリットを導入するにあたり、スクラッチで構築するのとは大きな違いもあったとのこと。それは、チームスピリットがすでに出来上がっているサービスだということです。出来上がっているので、ユーザーにデモンストレーションを見せながら要求を聞き取り、それを取り込むことができます。これが自作だと、一度構築してから対応することになります。この導入の仕方の違いも、大きなメリットになっています。さらに、ユーザーインターフェイスも洗練されており、ほかにもメリットはたくさんあるとのことです。

とはいえ、改善して欲しい点もあるとのこと。その1つが管理系機能の充実です。グループ単位など、ある程度まとまった単位で確認作業ができるなどの機能は欲しいとの要望もありました。さらに、場合によってはまとまったデータをバッチ処理で入れられるような機能もあればとのことでした。そして今後は、ワークライフバランスなどへの対応でさらに柔軟な勤務体系になることが予測され、そういったことへの対応も要望されていました。

「大手企業が利用するような機能と同じものを、会社の規模に関わらず導入できるのがパブリッククラウドのメリットです。コストや手間の面でシステムの構築をあきらめていたような場合にも、必要な機能を実現できる。さらにそれがクラウドなら経費で処理できる。そして、システムの処理ピークにあわせてシステムリソースを用意する必要がないのもメリットです」(魚木氏)

個々のERPにフロントウェア機能を実装するデメリット、逆にクラウドサービスで一元的にフロントウェアを提供し、そこにワークフローが統合されることで得られるメリットが、かなり大きいということ。それらのことがERPというものをよく理解している上で実践している日本総研の魚木氏の話によって、よく理解できた講演となっていました。

jack_
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