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2016.01.15

発信することが価値を高める
自社の魅力を追求すれば好循環が生まれる

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 コンテンツマーケティングを支援するイノーバは、情報の「発信」からマーケティングにつなげるノウハウを企業に伝授している。魅力ある情報を発信して、的確なマーケティング施策を提供すれば、「中堅・中小企業でも世界と戦える」という考えを、ビジネスとして実践しているのだ。実際のコンテンツ作りから、顧客への育成のノウハウは、同社のサービス「Cloud CMO」などで企業の支援に利用するほか、「商品を売るな コンテンツマーケティングで『見つけてもらう』仕組みをつくる」といった著書でも広く提供する。同社CEOの宗像淳氏は、情報発信して顧客になってもらうために、自分たちの魅力を伝えることの必要性を説く。

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 イノーバCEOの宗像淳氏は、顧客企業にコンテンツマーケティングを支援する際に「情報発信」することの必要性を説く。特にインターネットの世界では、情報を発信している個人や企業に、興味を持った人や新しい情報が集まってくる効果が大きいのが理由だ。もちろんそうした情報発信の仕方は、イノーバや宗像氏自身も実践している。

 「私自身はコンテンツマーケティングの2冊目の書籍を2015年10月に出させてもらいました。書籍には、コンテンツマーケティングのノウハウを書き込んでいます。すると、『ここまで書いてしまって大丈夫ですか? 同業他社がみんなまねしますよ』という声も聞こえてきます。しかし、それでいいと思っています。イノーバが最先端にいる限り、ノウハウを切り出して提供するという情報発信によって、我々のところにさらに人や情報が集まってくるわけです。ノウハウはもちろん大切ですが、さらにお客さまの新しい情報を取り入れていくことが大事です」

 情報発信型のスタンスを採ることから得られるメリットは計り知れない。宗像氏は、こんなエピソードを紹介してくれた。「お客さまのところへ出向いたところ、私の本を用意していてくれて、『サインしてください!』とおっしゃるんです。普通なら、来訪した営業担当者など門前払いを食わされることが多いですが、情報を発信していることで喜んで受け入れてもらえるわけです。こんなありがたいことはありません。情報発信を続けることで、こんなことがいろいろな業種で起こったらいいなと思っています」。情報発信が、回り回って会社にプラスになることを、宗像氏は身をもって体感しているのだ。

活用が「へた」な企業は「自分たちの魅力を発信できていない」

 ただ、情報発信を声高に叫んだところで、実際にはなかなか実行は難しい。さらに、その情報発信をリード(見込み客)獲得などの効果に結びつけるのは容易なことではない。イノーバでは、マーケティングオートメーションサービスの「Cloud CMO」などを活用してコンテンツマーケティング支援をする際に、どのようなスタンスを採っているのだろうか。

 「イノーバのお客さまとして主に想定しているのは、中堅・中小企業です。マーケティング機能がなかったり、営業担当者がマーケティングを兼務していたりするような企業ですね。そうした規模や人員構成の企業では、マーケティングのために組織を変えるといったことは難しいですから、業務の負担にならないようにWebサイトのリニューアルやコンテンツ発信、リードの獲得ができるように"助けてあげる"というイメージです」

 そのように"助けてあげる"スタンスで接すると、同じ「Cloud CMO」というツールを使っても、それぞれの企業で異なる効果が出てくるのだという。企業やビジネスの状況によって、新規のリードを集める必要があるのか、既存のリードを活用したほうがいいのか、戦略も戦術も異なり、得られる結果も大きく違う。

「デジタルマーケティングの専門家がいなくても、意思決定者の社長と現場の責任者の意思疎通ができているような企業では、コンテンツマーケティングをスーッと実践して成果が出ているケースがあります。一方で、Webサイトのリニューアルはしたけれど、コンテンツの発信ができていなかったり、リードを作ったり育成したりする仕組みがなく、せっかくWebサイトに来てくれた方をお客様に替えられずにいるケースも多々あります。」

 マーケティングの活用が「へた」な状態の企業には、共通したポイントがあると宗像氏は指摘する。それは、「自分たちの魅力を発信できていない」ということだ。企業のトップが自社の魅力をアピールできなかったり、営業担当者は現場で企業や製品の魅力を大いに語れるのに、Webサイトにはそうした情報が掲載されていなかったりする。これでは、コンテンツで効果的に情報発信しているとは言えない。

 「できれば、お客さまに自分たちで発信する体制や仕組みを作ってほしいと思います。会社の魅力を一番知っているのは、その会社の人だからです。最初はコンテンツの出し方に戸惑うことはあっても、自社の魅力を追求していけば好循環が生まれます。自社ですべてを実行できるところまで一足飛びに行けないならば、イノーバのように支援できる企業へ外注してノウハウを吸収していけばいいと思います」

 コンテンツ作りの仕組みを整えるためのヒントとして宗像氏は、「ルーチン化」を挙げる。その一例が、毎月セミナーを開催することだ。セミナーの開催はハードルが高いかもしれないが、直接競合しない同業他社と共催のセミナーにすることで集客などのリスクは減らせる。リアルのセミナーを起点にして、その内容をダウンロードコンテンツに仕立てていけば、自動的に最新のコンテンツが蓄積されていく。セミナーを実施することでリアルの顧客の反応も確認できる好循環が生まれる。

 コンテンツマーケティングの実践は、こうした「ルーチン化によって情報を発信する仕組みを作ることから始めるとよい」というのが宗像氏の提案だ。宗像氏自身も、イノーバで掲出するブログのためのコンテンツ作りのため、発信したい内容を口述筆記してもらう時間を定期的に作っている。Webのコンテンツ、セミナー、書籍----形は異なっても、自分たちの魅力を伝えて、人や情報に集まってもらうための「情報発信の仕組み」を整えることを実践しているのだ。

働いている人が自ら学習してモチベーションを高められる組織に

 コンテンツマーケティングを支援する顧客企業に対して、グローバルへの発信を呼びかけるイノーバは、それでは自社の戦略としてグローバルへの進出をどのように考えているのだろうか。宗像氏はこう語る。

 「インターネットの世界はグローバルな世界です。日本はこれから人口が減っていく状況にあり、国内市場だけを見てグローバルに打って出ないようでは、企業経営としてはまずいと考えています。今は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた盛り上がりを見せていますが、視点はポストオリンピックに置くべきですし、10年戦略をどのように立てるかが重要でしょう。そういうスタンスでお客さまのインターネット戦略のお手伝いをしたいですし、自社もグローバルを視野に入れていきたいと思っています」

 そうした変化が訪れる中で、自社の社員の働き方のビジョンについて宗像氏は「まだ模索中」だと答える。2015年末時点で、イノーバの従業員は約30人。まだ顔を合わせることで情報共有できる規模だ。企業として大切にしているという「一体感」を無理なく醸成できる規模であるため、あえてビジョンを提示するといった必要性はまだないのだろう。

 「今後のビジョンとして、働いている人がどんどん自ら学習してモチベーションを高められる組織にしていきたいですね。まず、そこからスタートです。将来、グローバルな組織になったとき、その段階でどう多様性を生かしたビジネスを実践するのかを考えなければならないでしょうが、それは次の次くらいのフェーズかもしれません」

 イノーバの従業員は女性の比率が高い。これはある程度、意識的に採用しているからだという。宗像氏は、「私自身は、女性を応援したいと考えています。働いている母親の背中を見ながら育ったからかなあ」とはにかむ。性別にとらわれずに「応援」する宗像氏のスタンスは、今後、人材の多様化が進んだ社会でも、働く人を温かく応援してくれそうだ。宗像氏が起業して軌道に載せたイノーバのビジネスそのものが、コンテンツマーケティングという新しい武器を使って、多種多様な企業の発展を応援することにあるからだ。


イノーバ 宗像淳氏インタビュー

text:Naohisa Iwamoto pic:Takeshi Maehara

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