2016.02.02

実務に使える!マイナンバー制度 徹底解説講座Ⅱ
【Part1】 理解が進まないマイナンバー

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いよいよ2016年1月にマイナンバー制度の運用が始まりました!皆様のお手元にマイナンバーの通知カードは届きましたか?

企業も対応が必要ということで、管理部門やシステム部門の方は情報収集や社内体制の整備に力を注がれてきたことと思います。一方、本格的にマイナンバー関連業務が始まるのは2017年からということで、まだ具体的な対応方法が決定していないという企業もあるかもしれません。

通知カードの誤配送や配達遅延、詐欺事件など、いろいろな話題でニュースをにぎわせているマイナンバー制度ですが、本格的な運用が始まったら生活はどのように変化していくのでしょうか。
他社はどんな風にマイナンバー対応をしているのだろうか、しっかり準備したと思ってもどこかに落とし穴があるのではないだろうかなど、皆さんいろいろな不安をもたれているのではないでしょうか。

今回チームスピリット社では「緊急アンケート企画」と称して、TeamSpiritユーザー企業様に対し、マイナンバー対応に関するアンケート調査を実施しました。当コラムでは3回にわたって、約80社から頂戴した回答のなかからマイナンバー担当者の生の声をご紹介しつつ、「企業はどのようにマイナンバー制度に対応していったらよいのか」について考えていきたいと思います。
マイナンバーの最新情報をキャッチするための情報源などについてもご紹介していますので、是非ご活用ください!

ここが大変!マイナンバー 「従業員がマイナンバーを理解してくれない」

マイナンバーの収集・保管における担当者の悩みのなかで、意外にも多かったのが「従業員がマイナンバーを理解していない」、「社内で対応が必要なことを理解してくれない」という回答。なかには「通知カードの受け取りを拒否している社員がいて、マイナンバーが収集できない」というコメントもありました。

確かにマイナンバー制度は日本中を巻き込むものでありながら、国や自治体からの説明は十分とはいえず、あいまいな点も多く見られます。細かい制度もたびたび改正されるため、社内でマイナンバーを担当されている方は最新情報をキャッチアップするだけで一苦労ではないでしょうか。そのうえ、すべての従業員に理解してもらい、協力を促そうとすると、その負担は甚大です。そもそもマイナンバーが理解されていない、ということが企業のマイナンバー対応における最初の足かせになっていると言えそうです。

ということで、まずは「マイナンバー制度とは何か」について改めて整理してみたいと思います。

●そもそも、マイナンバーって何?

マイナンバー制度(正式名称:社会保障・税番号制度)は、社会保障・税制度の効率性・透明性を高めるために国が進める制度です。日本に住み、住民登録をしている国民や外国人一人ひとりに固有の12桁の番号が振られます。これが、いわゆるマイナンバーです。

マイナンバーは原則的には一生変更されません。情報漏えいなどで不正使用の危険性がある場合には変更が可能です。またマイナンバーには「個人番号」だけではなく、法人や官公庁に付番される13桁の「法人番号」があります。

●マイナンバーには、どんなメリットがあるの?

マイナンバー制度の主な目的としては
◇行政手続の簡素化・合理化
◇個人を正しく特定することで、所得状況や行政サービスの受給状況を正確に把握し、公平な税徴収の実現と生活保護の不正受給防止などにつなげる
などが挙げられます。

これまで行政機関などでは「氏名」・「生年月日」・「性別」・「住所」の基本4情報を使用して個人を識別していました。ただ住所や氏名は変更されることがありますし、同じ生年月日で同姓同名の人が複数存在するため、個人を特定することが難しく、時間がかかったり、間違いが起きやすかったり、という課題がありました。

マイナンバー制度を導入すれば、唯一無二の「マイナンバー」で個人の特定ができるため、効率的・かつ正確に手続きを進められるようになります。

ただこのように書くと「マイナンバーのもとで、いろいろな個人情報が一元管理されるのでは・・・・・・・」という不安を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

実はマイナンバー制度を導入したからといって、個人情報が特定の機関に集約されて管理されてしまうというわけではありません。これまでと同じく各行政機関や地方公共団体によって情報は「分散管理」され、必要な場合に必要な情報のみを高度なセキュリティ管理のもとでやりとりをするという仕組みがとられています。ですから、マイナンバーによって芋づる式にすべての情報が漏えいしてしまう、ということは起きないようになっています。

また2017年1月からは、自分の年金・税金の払込みの記録や、マイナンバー情報がいつ・何のために・だれから・だれに提供されたかなどをポータルサイト上で確認できるようにもなる予定です。

●「個人番号カード」って何?

さて、通知カードの封筒のなかに「個人番号カード」申請書が同封されていたのにお気づきでしたでしょうか?

「個人番号カード」はICチップつきのプラスチックカードで、表面には氏名、住所、生年月日、性別(基本4情報)と顔写真、裏面にマイナンバー(個人番号)が記載されます。

マイナンバーを利用する場合には必ず本人確認が必要で、番号と合わせて運転免許証などの本人確認書類も提示しなければなりません。「個人番号カード」があれば、これ1枚でマイナンバーの証明書類や公的な身分証明書として使用できるほか、さまざまな行政サービスを受けることができるようになります。

今のところ「個人番号カード」を所有するメリットとしては、マイナンバー利用時に本人確認の書類が必要なくなる、運転免許証がない場合に身分証明書として使えるという程度だと思われますが、将来的には「個人番号カード」のICチップの情報といろいろなサービスを連動させていくというような動きになりそうです。

▽個人番号カード 総合サイト
https://www.kojinbango-card.go.jp/index.html
▽総務省 個人番号ードの申請・交付の流れ
http://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/11.html

●マイナンバーを使うのは、どんなとき?

では日常生活のなかで、私達が実際にマイナンバーを使用するのはどのような時なのでしょうか?

現時点では、法令で定められた手続きのために行政機関や勤務先企業にマイナンバーを提供しなければなりません。

健康保険や雇用保険などの手続きは、個人に代わって勤務先の企業が担っているので、従業員は必ず企業にマイナンバーを伝えなくてはならないのです(ここは是非、多くの人に理解してもらいたいところですね)

マイナンバーの提供を求められる主なケース(2015年12月27日現在)

【勤務先】

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得・喪失届
  • 国民年金第3号被保険者関係届け
  • 雇用保険被保険者資格取得・喪失届
  • 給与所得の源泉徴収票・給与支払報告書(※1)
  • 報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書(※1)

など

【行政機関】

  • 生活保護・雇用保険の申請
  • 健康保険給付の申請
  • 2016年分以降の税の確定申告
  • 児童手当の現況届

など

※1:2015年10月の所得税法施行規則等の改正により、「本人交付用」の源泉徴収票や支払調書には個人番号を記載しないことになりました。(税務署に提出する書類については、個人番号の記載が必要です)

▽国税庁  社会保障・税番号制度<マイナンバー>について
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/
▽本人へ交付する源泉徴収票や支払通知書等への個人番号の記載が不要になりました。(PDF/207KB)(平成27年10月2日)
https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/mynumber_gensen.pdf
▽財務省 マイナンバーの記載を省略する書類の一覧(案)(マイナンバー記載の対象書類の見直し)について
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2016/seirei/mynumber.htm

●「改正マイナンバー法」の成立で、活用範囲拡大へ一歩前進

2016年1月時点ではマイナンバーの使用目的は「税」・「社会保障」・「災害対策」の3つの分野に制限されており、上記の目的以外で民間企業が情報を取得することは法律で禁じられています。

ただし、将来的には医療・金融・民間サービスへと運用範囲を拡大していくことが構想されており、マイナンバーを電気や水道と同じように日常生活で欠かせないインフラにしていきたい、というのが政府の考えです。

早速2015年9月3日に「個人情報の保護に関する法律及び行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用法に関する法律の一部を改正する法律案(通称:改正マイナンバー法)」が衆議院本会議にて可決、成立し、マイナンバーの活用範囲拡大への足掛かりが作られました。

改正マイナンバー法の主な内容は次の通りです。

◯預金口座へのマイナンバーの付番

2018年から銀行口座情報とマイナンバーを結びつけることができるようになります。ペイオフのための預貯金額の合算や、税務署による税務調査などで簡単に残高情報などを集められることが目的です。

◯医療等分野における利用範囲の拡充等

「メタボ健診」の管理や予防接種履歴の記録においてマイナンバーの利用が可能となります。

◯地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充等

公営住宅(低所得者向け)の管理に加えて、特定優良賃貸住宅(中所得者向け)の管理において、マイナンバーの利用が可能となります。そのほか、地方公共団体の要望等を踏まえ、雇用、障害者福祉等の分野において利用事務、情報連携の追加を行うということです。

少し話はそれますが、実は「改正マイナンバー法」成立と同時に、10年ぶりに「個人情報保護法」が改正されることとなりました。昨今のビッグデータ活用の流れを背景に、企業が膨大な個人情報をより自由に利活用しやすくするための法改正です。マイナンバーとの関連も深いトピックですので、これについては別の機会にまた改めて整理してみたいと思います。

▽内閣官房 マイナンバー 社会保障・税番号制度 「改正法概要」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/hokaisei_gaiyou.pdf

●マイナンバーの最新情報は、ここでキャッチ!

さて冒頭にも書いた通り、細かな法制度改正によってマイナンバーの対応方法にもたびたび変更が加えられることが予想されます。企業にとっても影響が大きいので、是非こまめに最新情報をチェックしておくようにしましょう。

内閣官房のマイナンバーホームページでは「関係法令」や「よくある質問(FAQ)などのページが頻繁に更新されており、なかなか便利です。お手すきのときに、一度目を通してみてはいかがでしょうか。

▽内閣官房 マイナンバー 社会保障・税番号制度
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/

また、メールマガジンなども始まったようです(サイトでバックナンバーを読むこともできます)
▽内閣官房 マイナンバー 社会保障・税番号制度 「マイナンバーメールマガジンを始めました」
http://www.cao.go.jp/bangouseido/mailmagazine/mailmagazine.html

▽政府広報オンライン 特集 社会保障・税番号制度<マイナンバー>
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/

▽マイナンバー(社会保障・税番号)制度 Twitter公式アカウント
https://twitter.com/MyNumber_PR

さて次回もアンケートのなかから、マイナンバーの収集保管にあたっての苦労や落とし穴についてご紹介しつつ、企業で必要とされる対応プロセスについて整理してみたいと思います。


実務に使える!マイナンバー制度 徹底解説講座Ⅱ


このコラムは2015年6月公開のマイナンバー制度 徹底解説講座を2016年2月時点の最新情報で再編集したものです。

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