2015.04.23

勤怠管理を軽く見るのはリスキー!
勤怠・労務管理データの戦略的な活用で企業の競争力も変わります

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最近新聞を読んでいると、「長時間労働」や「働き方に関する企業の取り組み」についての記事を毎日のように目にします。安倍政権の成長戦略においては「働き方」や「労働生産性の向上」は重要なテーマとなっており、特に企業の労務管理の監視については政府が強い姿勢で取り組もうとしていることを感じます。

とはいえ、企業の経営者にしてみれば「税務署の立入調査は気になるけれど、労働基準監督署からの調査はめったに入らないし、上場を考えたときに対策すればいいだろう」と労務管理の優先度はついつい下がりがちです。
特にスタートアップベンチャーや急成長企業においては、長時間労働もいとわない社員の意欲が成長の原動力となっていることが多く、社員の労務管理について考える時間があるなら本業に精を出したいというのが本音かもしれません。

ただこの時代、いつまでも労務管理を後回しにするような姿勢でいるのは危険です。
というのも、ここ最近の企業の労務リスクは数年前とは比較にならないほど増大しているからです。

インターネットによるサイバーパトロールも!厚生労働省が「過重労働撲滅チーム」を発足。

昨年9月には厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」が設置されました。ここでは「過重労働撲滅チーム」、「働き方改革・休暇取得推進チーム」、「省内労働時間削減推進チーム」という3つのチームが今年の1月から具体的な取り組みをスタートさせています。

特に注目したいのが「過重労働撲滅チーム」が実施している以下の3つの取り組みです。

  1. 月100時間超の残業が行われている事業場等に対する監督指導の徹底
    長時間の過重労働が行われている事業場に対し、労働基準監督署による立入調査を徹底し、違反が認められた事業場に対しては、是正勧告書等を交付し、指導を行います。是正が認められない場合は、送検も視野に入れた対応が検討されています。
  2. インターネットによる情報監視
    厚生労働省がインターネット上の求人情報等を監視・収集し、その情報を労働基準監督署による監督指導等に活用するというものです。高収入をうたうものや求人を繰り返し行うなど、過重労働等の労働条件に問題があると考えられる事業場に対して試験的に実施される予定です。
  3. メンタルヘルス対策の強化
    都道府県労働局において、ストレスチェック制度の周知、ストレスチェック及び面接指導等を行う医師・保健師に対する研修などが実施されます。

違法な時間外労働や賃金不払いなどを集中的に取り締まり過労防止

さらに、これらの取り組みの一環として今年の4月1日には「過重労働特別対策班」(通称かとく)が東京労働局と大阪労働局に新設されました。
特別チームを結成して違法な時間外労働や賃金不払いなどを集中的に取り締まることで、過労防止につなげる考えのようです。

従業員からの未払い残業代請求事例も急増

また最近では、従業員が企業に未払い残業代を請求する事例も急増しています。
「未払残業代」という言葉でインターネット検索をすると、残業代請求のノウハウや事例集、無料相談を行う弁護士事務所の広告がずらりと表示されます。
さまざまな情報を簡単に手に入れられるようになったため、ある日突然従業員から残業代請求の内容証明が企業に送りつけられるといったケースも増えているようです。内容証明が送られてくれば、企業も無視をするわけにはいきません。

監督指導による賃金不払残業の是正

ちなみに東京労働局による「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成25年度)」(※1)では、東京労働局管内で「時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていない」として是正勧告・指導され、100万円以上の遡及支払になったのは142企業、総額22億円にのぼるとされています。1社平均の支払金額は1,560万円、なかには1企業で1億円を超える支払を行う事例もみられます。

※1 監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成25年度)
・全国
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/chingin-c_h25.html
・東京労働局
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0138/5907/2015119102312.pdf

こういった流れをみると、労務管理を後回しにすることがますます許されない時代が来ていることを皆さんも強く感じられるのではないでしょうか。

そうはいっても、人事担当者はいっぱいいっぱいなんです・・・・・・。

ただ「明日から労務管理をちゃんとやるから人事担当者よろしく!」というわけにはいきません。
一言で「労務管理」といってもその内容は多岐にわたり、人事担当者にかかる負担は並大抵ではありません。特に人数が少ないスタートアップベンチャーの人事担当者は、非常に大変な思いをされているというのをよく聞きます。
では一体何がそんなに大変なのでしょうか?

日々の勤怠管理や休暇の管理が大変!

例えば勤怠管理をタイムカードや出勤表で行っている場合、締日に合わせてデータを集計するのはとても大変です。
有給休暇の管理に関しても、勤続年数に応じた休暇付与日数の計算・年休の有効期限管理・繰越日数の管理など、一人ひとりの休暇取得状況によってさまざまな足し引き計算があり、手間がかかります。さらには休日出勤と振替休日、代休取得などの管理も必要です。

残業時間の管理と残業代計算が大変!

社員一人ひとりの毎月の勤務実績を集計し、残業代を計算するのも大変な作業です。残業時間によって割増率も変わりますし、役職の変更に伴う残業代支給の有無など考慮しなくてはならない点がたくさんあります。給料締日前の勤怠集計作業にいたっては、それこそ深夜までの長時間労働も珍しくはないでしょう。

法律の改訂に合わせるのが大変!

人事労務管理を行う上で、労働関連法規の知識は欠かすことができません。そして法律は頻繁に改訂されます。
日常の業務を行いながら法律の改訂にも目を光らせ、それに合わせて社内の業務フローを変更し、社員に周知していくということは、とても労力がかかりますが、コンプライアンスの観点からも法律の改訂を無視することは許されません。

事業所が多いとデータの集計が大変!

会社の成長とともに人員が増え、事業所が増えていくと、勤怠管理一つとっても業務が一気に煩雑になります。
例えばタイムカードで勤怠管理を行っている場合、締日には各事業所から本部にタイムカードを郵送しなくてはなりません。遅延・紛失・承認漏れ・集計ミスなどのさまざまなリスクが生じますし、問題がないかどうかを確認するだけでも1日が終わってしまいそうです。

何より現場社員が正しい事務作業をしてくれないのが、いちばん大変!

現場社員が毎日勤務時間を正しく記録し、残業や休暇についても正しく申請することが労務管理の大前提。ただ現場社員にとっても、日々の忙しさのなかで細かな事務作業にまで気を回すことは簡単ではありません。上司の承認作業も手間がかかり、内容を細かく確認することなくまとめて承認してしまうというようなことも起こりがち。
正しく作業をしてくれないのは現場なのに、人事が間違いを指摘し、修正をお願いしたら「うっとうしい」と思われる・・・・・・。これでは人事担当者もたまったものではありません。

システム導入は労務管理の最初のステップ。正しい勤怠・労務管理データを社内のコミュニケーションのきっかけにし、一人ひとりが「自己管理」できる風土をつくることが何よりも大切。

既にいろいろなところで言い尽くされている感はありますが、人事担当者や現場社員に負担をかけずに、企業の労務リスクを軽減させるにはやはりシステム導入が最初のステップになるのではないでしょうか。ただ「勤怠・労務管理システムを導入すればすべて解決!」とはいかないのも事実です。

実は、先に示した東京労働局の「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成25年度)」で紹介されている未払残業代の支払金額が1億円を超えた企業の事例は、いずれも何らかのシステムによって勤怠管理がされていました。
ところが、始業・終業時刻は記録できるものの残業時間が一定の長さを超えると入力できないシステムだったり、時間外労働はシステム外で申請しなくてはならなかったりと、システムの仕様や運用方法に大きな問題があったのです。
たとえシステムを使って勤務時間を管理していることを労働基準監督署に主張しても、システム上の勤怠時間が勤務の実態を表していない限り、労務リスクから逃れることはできません。

勤怠・労務管理システムの導入に関しては、日々の業務負担が軽減できるかどうかはもちろんのこと、従業員一人ひとりの日々の労働状況が可視化できるかどうかがとても重要です。
煩雑な日常業務から開放されれば、人事担当者やマネージャーは現場社員の生産性を向上させるための環境整備や組織戦略、個々のキャリア構築などのより創造的な業務に取り組むことができるようになります。ただし従業員の労働状況が正しく把握できなければ、対策のとりようがありません。

実態に則した勤怠データがあれば、「遅刻が多いのは何かストレスを感じているからではないだろうか」、「最近残業が多いのはなぜだろうか」、「休暇を全くとっていないからちょっと声をかけてみよう」など人事担当者やマネージャーが現場社員とコミュニケーションをとるきっかけをつくることができますし、現場社員自身も「最近ちょっと働き過ぎているから、上司に相談してみよう」など自己管理を行うための気づきを得ることができます。
つまり正しい勤怠・労務管理のデータは、健全な組織をつくるために必要な基盤となるのです。

例えばTeam Spiritでは「勤怠管理」、「就業管理」、「経費精算」、「プロジェクト工数管理」、「電子稟議」がすべて統合されており、適正な労務管理と業務負担の軽減を実現するだけでなく、入力されたあらゆるデータから価値のある情報を抽出し、活用していくことができます。
また、しっかりとした勤怠・労務管理を始めたいけれど、何から手をつけてどのようにやっていけばいいのかわからないという場合には、Team Spiritにあらかじめ設定されている標準的な業務フローをベンチマークにすることで、社内の業務プロセスを改善していくことも可能です。

長時間労働を是正する政府の動きや、労働問題に関する訴訟リスクが増えているという時代の流れはもちろん、これからはより戦略的に勤怠・労務管理データを活用していくことが企業の競争力につながります。
労務管理を「後回し」にするのではなく、いち早く取り組むことでより強い組織を作る――これからの企業にはそんな姿勢が求められているのかもしれません。

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