ほとんどのビジネスパーソンにとって、勤怠管理・経費精算・残業申請・工数管理などのタスクは避けられないもの。重要だが生産的ではない日々の業務にストレスを抱えている人も少なくないだろう。社内業務のシステム化は今や当たり前となっているものの、多くの場合、勤怠管理は人事・総務部門、経費精算は経理部門、プロジェクト工数管理は現場と業務の担当部門ごとにシステムが縦割りになっており、データも連係していない。社内がIT化されているにもかかわらず、入力担当者は同じ情報を複数システムに何度も入れ直し、現場の社員は複数の管理部門から同じ内容の問い合わせを何度も受けるなど、結果的に業務が煩雑になってしまっているというのが実情ではないだろうか。

「ERPのフロントウェア」という新たなコンセプト

 「現場の従業員からしてみれば、勤怠管理であろうと経費精算であろうと、業務に関する情報を入力していることには変わりなく、システムが分断されていることにメリットはありません。従業員の視点で業務を再構築し、日々の業務効率化に役立つ仕組みを実現したいという思いから生まれたのが『ERPのフロントウェア』というコンセプトです」と語るのは株式会社チームスピリット代表取締役 荻島浩司氏。

 ERP(Enterprise Resource Planning)とは、製造・物流・販売・調達・人事・財務会計といった企業の基幹業務を一元的に管理・可視化し、その運用をプランニングするサポートする情報システムである。従来のERPシステムは、管理部門が基幹業務を遂行するためには役立つものの、導入に多くの時間とコストがかかる上に現場の従業員にとってはメリットが実感しにくいものであった。

 「ERPのフロントウェアとは、その名の通りERPシステムのフロントに位置するシステムを意味します。TeamSpiritを既存の基幹システムの上にアドオンすれば、それだけでバラバラだった業務アプリケーションをクラウドで統合することができます。例えばICカードをリーダーにタッチするだけで勤怠管理と交通費精算を同時に実行したり、勤怠管理で記録した就業時間の範囲内で原価管理用の工数がスライダーで登録できたりと、互いにデータを自動連携させることで、どんなシステムでもなし得なかった高度な自動化機能を実現します。この自然でスムーズな管理性の高さがTeamSpiritの最大の特徴です」(荻島氏)。

 クラウドの利点を最大限に活用して日々の業務を大幅に効率化する一方で、バックエンドの既存の基幹システムには必要なデータを連係させることができる。TeamSpiritが提供するのは、ビジネス環境がスピーディーに変化する時代にふさわしい"ちょうど良いERP"なのだ。

社内SNS×ワークフローでチームワークも促進

 TeamSpiritでは、クラウド型の社内SNS(Social Networking Service)ツールであるChatterとワークフローを組み合わせた承認申請サービスを提供している。例えば朝の出社時にその日の行動予定をつぶやくだけで、自分の一日の作業がイメージでき、周りのメンバーの動きを把握することもできる。また退社時にその日の成果をつぶやけばONとOFFの区切りをつけることも可能だ。さらには、それがそのまま出退社の打刻となり、そこで収集された勤怠管理データをプロジェクト工数管理や経費精算につなげられる。

 勤怠管理システムなどは、従業員に正しく入力してもらえるかどうかが大きな課題となるが、TeamSpiritを使えばコミュニケーションの一環として勤怠データを入力することができる。同僚の投稿に対して「今日はよかったね」、「もっとこういうことをした方がいいのでは」などのコメントを入れる社内文化を醸成することで、従業員は「管理されている」イメージや義務感を持つこともなくなるという。従業員のメンタルケアが重視されている今、このようなささいなコミュニケーションも経営者や管理者にとってはチームの状態を把握する上で有益な情報源となる。

 「社員が多忙を極め、日ごろなかなか顔を合わせる機会が持てないような成長企業であっても、お互いの仕事内容を共有し、全社のゴールやビジョンを共有しながらビジネスの成長を目指すことができる。これもTeamSpiritの大きな利点です。導入企業様からは業務の効率化だけではなく、ワークフローや社内SNSなどの機能を活用することで情報共有の加速が促進されたと、高い評価をいただいています」と荻島氏は語る。

内部統制にも大きな効果

 さて急成長企業のなかには、組織やビジネスの拡大に内部統制のシステム整備が追いつかず、ただでさえ忙しい現場の社員にも大きな負荷がかかっているという企業が少なくない。そういった課題の解決にもTeamSpiritは大きな効果を上げている。

 内部統制の重要なポイントとして、まず挙げられるのが決裁権限の整備だ。小規模なスタートアップ企業では決裁権限があいまいで、稟議制度が定められていないことも多い。表面上はビジネスが回っているように見えるかもしれないが、そのまま放置すれば、コーポレートガバナンス上の大きなリスクとなることは明らかだ。特に株式上場を目指しているような場合、内部統制を担保する決裁権限と稟議制度を定義・運営することは必須条件である。また企業の原価計算が適切に実行されているかどうかや、未払い残業代などの労務関係の法令違反がないかどうかについても、上場審査においては厳しくチェックされる。

 上場要件をクリアできるレベルの内部統制を実現するためには、システムの力を借りることはほぼ必須であろう。しかし限られた予算のなかで大規模なシステムを導入することは、収益を圧迫するなどの大きなリスクをはらむ。組織規模や事業内容に応じた適切な仕組みを導入することが不可欠であろう。

 TeamSpiritは、株式の上場作業で求められる内部統制の課題や悩みを解決できるさまざまなシステム機能を網羅している。決済・稟議に関しては、勤怠・経費・プロジェクト・取引先などと連携した稟議フォームが簡単に作成できるほか、すべての入力作業はWebワークフローによって一体化されており、承認申請やレポート作成も簡単に実行できる。また、工数管理による個別プロジェクト原価管理も実現でき、勤怠管理においては法令に基づいた残業時間の管理や残業代の未払いを抑止することなども可能だ。

 現場の従業員に余分な負担をかけることなく内部統制を実現できることから、上場前後の企業に多数導入されているTeamSpirit。業務の効率化のみならず、適切な残業時間・残業代の管理や工数管理などにより従業員の健康的な生活や仕事に対するモチベーションを保つことができるという点でも高く評価されているという。

 「仮に50時間の残業をした社員がいた場合、工数情報やワークフローとの組み合わせによって、それが本当に意味のある残業なのかという判断についてもリアルタイムで行えるようになります。さまざまな情報分析の基となるデータを簡単にレポートにすることができるので、経営者や管理職にとっては、無駄な作業の排除・リスク予兆への対応・業務の最適化といった取り組みにも活用できるのです」(荻島氏)。

従業員に創造的な時間をもたらす

 面倒なルーチンワークを徹底して簡素化・省力化することで、働く人の創造的な時間を生み出し、チームワークを引き出すサービスを提供したい――これがTeamSpiritを開発した最大の動機だと語る荻島氏。

 毎日使うものだからこそデザイン性や操作性にも気を配り、現場の従業員が"いきいき"と仕事に取り組めるシステムづくりを目指し、細部にも徹底的にこだわる。さまざまなアイディアや情報を社内でスピーディーに共有しビジネスを加速させるTeamSpiritは、日々の業務に追われがちなあらゆる従業員に創造的な時間をもたらしてくれるだろう。

一人ひとりの成果をチームの力に結束することで、あらゆる企業がプロフェッショナル・サービスファームとして成長することを支援する、それがTeamSpiritの真の価値である。

荻島浩司荻島浩司 株式会社チームスピリット 代表取締役 CEO

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