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「働き方改革」のひとつの目玉である「副業・兼業の促進」。一昔前の日本においてはタブー視さえされてきたものが、今や政府が主導して一般社会に根付かせようとしているのだから隔世の感がある方も多いのではないだろうか。

しかし、人口の減少に伴う人手不足は、近い将来ではなく、今まさに生じている問題だ。2060年頃には生産年齢人口は現在の約半分まで減少するという時代背景の中、これまでのような終身的な雇用や生活を保障する、いわゆる「日本型雇用」の限界が近づいていることはもはや社会共通の認識となりつつある。今後、働く人ひとりひとりが、自分のスキルや経験を最大限に活用し、極めて高い労働生産性を発揮することが必要となってくるのは間違いなく、副業や兼業の促進に舵が切られたことは自然な流れとも言えそうだ。

厚生労働省では、2017年3月にまとまった「働き方改革実行計画」を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っており、2018年1月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表している。

だが、これまで多くの企業が副業禁止をうたってきた日本において、この新しい取り組みを定着させるには多くの困難があることは容易に想像できる。

副業をスマートに行なうためには何が必要なのか。ここでは企業と労働者双方の観点から見ていくこととしたい。

新時代の「副業」に潜むメリットとデメリットとは?

一般的にこれまでの「副業」は、勤め先には内密に、退社後や休日に自宅で行なうイメージが強いものだった。それもそのはず、多くの日本企業は副業そのものを就業規則等で禁止してきたからだ。しかし、「働き方改革」での副業の促進は、雇う側も雇われる側もオープンな立場であることが理想となる。もちろん、これには双方にメリット・デメリットがあることも理解しておかなければならない。

まず、労働者側のメリットとしては、以下のことなどが考えられる。

  • 離職せずに他の仕事に就くことができる
  • 自分のやりたいことにリスクを減らしながら挑戦できる
  • 副業による所得の増加

一方でデメリットとしては、

  • 本業+副業による就業時間の長大化
  • 自身による就業時間のコントロールが必要
  • 職務専念義務や秘密保持義務への細心の配慮

といった点が挙げられる。

反対に企業側のメリットも考えてみたい。

  • 従業員が社内や現在の業務では得られない経験や知識を習得できる
  • 従業員ひとりひとりの自主性の向上
  • 従来は独立してしまっていた優秀な人材の流出防止
  • 従来は獲得が難しかった社外の優秀な人材の活用

上記のようにお互いが柔軟な対応が取れるようになり、優秀な人材ほど新たな価値を企業にももたらしてくれる可能性が予想できるだろう。

一方でデメリットとしては。

  • 従業員の就業時間の管理や把握の困難さ
  • 職務専念義務や秘密保持義務、競業避止義務等と副業をいかに適合させるか

といった点が挙げられるのではないだろうか。

中でも一番懸念されるのが、副業による就業時間の長大化とその管理だろう。特に、企業内副業を促進する場合、この問題の解決なくしての促進はあり得ないといっても過言ではないほど、重要かつ企業と労働者双方が頭を悩ませる問題だ。

企業内副業を成功させるコツはセルフマネジメントと見える化だ

一口に副業と言っても、社内の本業とは異なった業務を副業としておこなうのか、まったく別の社外の仕事を個別で受注しておこなうかによって大きく分かれてくる。別の会社の業務をおこなう場合、そのマネジメントは個々の裁量に委ねられることが多いが、いわゆる「企業内副業」においては、それぞれの就業時間の把握をしない限り、副業の影響による従業員の就業時間の長大化是正ができなくなり、逆に労働生産性が落ちてしまうという心配すら出かねない。

一方で、労働者側も本業と副業のバランスを自己で管理し、本業に影響を及ぼさず、かつ副業も成り立たせるというセルフマネジメントが必要となる。このセルフマネジメントは、単に自分を律するだけでなく、社内において副業への理解や協力を仰ぐためにも重要な要素であり、「副業の見える化」を行なってこそ、初めてスムーズで効率の良い副業が成立すると言える。

つまり「業務の見える化」による双方の信頼関係の構築こそ、企業において副業を行なうための第一歩となる、というわけだ。

ITのチカラを使った工数管理と勤怠管理でスマートな企業内副業を目指す

では、企業内副業なのか本来の業務なのかをどのようにして「見える化」すれば良いのか。

たとえば、働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」には、多様な働き方に対応した就業管理工数管理、カレンダー機能などが実装されている。これに、本業と副業をプロジェクトとして登録しておけば、「どのくらいどのプロジェクトに時間をかけたか」「どのタイミングで本業と副業を切り替えるのか」といった情報を一覧で確認できるので、カレンダー機能を使った副業を含む業務の見える化やそれによる周囲への理解促進、情報共有も容易に行なうことができ、長時間労働の是正や、副業による本業の労働生産性減少の回避にも利することができるだろう。

これによって、新しい働き方である副業を、企業や管理職と働く人たちの双方でスムーズに進めていくことができるはずだ。

「働き方改革」のキーワードとして挙げられる「副業の促進」もまた、他の働き方の改善と同様、実施にあたっていくつかの問題が浮上してくるかもしれない。ただ、前述のようにITのチカラを活用すれば、クリアできる課題は少なくないはずだ。そうしたチャレンジの先には、本業と副業がリンクして新たな価値を生み出したり、個人の新たな能力が発揮される機会も出てこよう。そうした意味では、企業内副業の実施は、企業・働く人たちどちらにとってもの成長の種を撒くことだと言えるかもしれない。

その道筋を確かなものにするためにも、ITのチカラが欠かせないのは間違いないだろう。

text:働き方改革研究所 編集部