2017.01.18

未来の働き方を考える 第23回
理想は「週休ゼロ日」?

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 新しい働き方や働き方改革が毎日のように話題になっています。一方でサービス残業や「ブラック企業」の話題も尽きないのが昨今の仕事環境になってきています。このような社会的課題について、今回は少し別の視点から見てみたいと思います。

なぜ「働きすぎ」が良くないのか?

 「そんなバカなことを聞くな」と言われるかもしれません。精神的にも肉体的にも毎日朝から晩まで働いて良いことなんか何もないだろうと思う人がほとんどでしょう。全くその通りです。

 ところが一方で、ほぼ食事と睡眠以外の時間は文字通り朝から晩まで仕事をしているにもかかわらず、むしろ生き生きとしている人もいます。例えば起業家や芸術家などクリエイティブかつ「自分で能動的に選んだ仕事」をしている人たちです。そもそもこのような人たちには「ワークライフバランス」という言葉は意味をなしません。「ワーク」と「ライフ」はバランスする「対立関係」にあるものではないからです。「残業」や「サービス残業」という言葉も同様です。どこまでが仕事でどこからがプライベートや遊びなのかという「公私の境界線」もこのような仕事をしている人たちや仕事にはないからです。

 対して、「ワーク」と「ライフ」をバランスさせようとする人、あるいは残業を少なくして早く帰りたい人というのは、基本的に仕事というものは「お金を稼ぐためにやらされているもの」というスタンスであることが分かります。

 個人の仕事観がどちらか(あるいはその中間か)を簡単に見分ける方法があります。それは「仕事」と「遊び」の関係を二つの円で表現してもらうことです。ざっくりと言えば、以下のような傾向が出てくるのではないかと思います。

 このように考えると、「働き方改革」という「How」の議論はもちろん重要なこととして、「そもそもどんな仕事をしているのか?」という「What」の議論もより根本的な話として考える必要があるでしょう。そもそも仕事自体を能動的に、かつ創造的なものにしていければ(図で言う「左寄り」の仕事が増えれば)、「サービス残業」などという概念自体がなくなるのです。

目指すは「毎日仕事をすること」

 「働き方改革」が目指すものは、単にサービス残業削減や劣悪な職場環境の改善といったどちらかと言えば、後ろ向きのものだけではありません。「働くこと」、さらにその先の「楽しく生きる」という上位の目的を考えてみれば、目指す方向性は「休みを増やし、残業をなくすこと」ではなく、むしろ「毎日仕事をすること」になるというのが逆説的な考え方です。それがタイトルに挙げた「週休ゼロ日」ということになります。

 前述の通り、実は「楽しく生きている」人は休日の数が多い人ではなく、むしろ少ない人という見方もできます。考えてみれば、健康の要因として挙げられる「規則正しい生活」という言葉に照らし合わせて考えると、「嫌な仕事をする日」と「おもいっきり楽をする日」があるというのは規則的ではない訳で、「週5日は仕事中心で残りの休日は全く働かない」という制度にも疑問が出てきます(もちろん1週間単位のサイクルで見ればそれが「規則正しい」という見方もあるでしょうが)。

 「1週間ICTから遠ざかってメールも一切見ない」という生活を送っている人もいますが、むしろそういう心の割り切りができない人にとっては、「見ない間に何か起こっていないだろうか?」と考えたり、「1週間後が逆に恐ろしい」と思ったりといった形で精神衛生上悪いことも多いのではないでしょうか。

 結局「楽しく生きる」ためには仕事の自由度が上がることが重要です。1週間で仕事のサイクルを決める、あるいは1日で仕事のサイクルを決める、というこれまでの常識にこだわる必要は全くないでしょう。「週休ゼロ日を10カ月続けて、その代わり残りの2カ月は週休7日」も選択肢としては十分ありでしょう(いっそのこと「年」という単位だって忘れることもできます)。

 勤務場所についても無理に平日に「残業」するくらいなら毎日思い切り早く帰る代わりに、休日も空き時間は仕事をした方が精神衛生上も良い場合もあるでしょう。

 幸いなことに「受動的な定型業務」はAIやロボットが次々と代替していくことになり、人間の仕事は(よくも悪くも)「能動的かつ創造的」な仕事の割合が増えていくことになるはずです。そんな時代にはむしろ「弊社は週休ゼロ日制です」、ただし自分のペースで毎日の労働時間や場所は決めてよし。当然1日の最低労働時間は少ない。また皆能動的に仕事をしているので、むしろ全く仕事をしていない方が苦痛であるような職場と仕事内容であるーーなんていう会社が人気企業になるのかもしれません。

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