2015.03.02

「振替休日」をとるか、「代休」をとるかでお給料が変わる!?――意外と知られていない「休日出勤」の仕組み

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「振替休日」と「代休」が別のもの!?

突然ですが、皆さんは休日出勤をしたことがありますか?

休日出勤をした場合、代わりに別の日に休みをとることがあるかと思うのですが、普段何気なく口にする「振替休日」と「代休」という言葉、全くの「別物」だということをご存知でしたでしょうか? 一言「明日は会社を休む!」と言っても、それが「振替休日」なのか「代休」なのか「有給休暇」なのかによって、労務上の取り扱いは全く異なります。

恥ずかしながら、私はかつての会社員時代にはこれらの違いを全く理解しておらず、それが休日出勤の代わりであろうと何であろうと、ほぼ「有給休暇」で申請していたような気がします・・・。

私のように「休み」や「休日出勤」に関するルールをしっかり把握していない社員がいると、会社側は「支払うべき給与を支払わない」という不正を意図せずに行ったり、「支払わなくてもよい給与を支払ってしまう」という危険性があります。
上場を検討している場合はもちろんのこと、企業のコンプライアンスが厳しく問われる今、こういった事態はできる限り避けなくてはなりません。

ということで今回は、当たり前に理解しているようで実は誤解の多い「会社の『休み』と『休日労働』」について整理してみたいと思います。

・「休日」と「休暇」って何が違うの?

会社の「休み」というと、まず「有給休暇」という言葉を思い出される方が多いかもしれません。では、そもそも「休日」と「休暇」は何が違うのでしょうか?皆さんは違いを説明できますか?
両者ともに「労働しない」という意味では同じなのですが、労働基準法上では扱いが明確に異なります。

「休日」=労働者が労働義務を負わない日

労働契約上予め定められている休みなので、労働者が申請をしなくても休むことができる日です。多くの企業では土・日が「休日」となっていることが多いと思います。

「休暇」=もともと労働義務はあるが、労働者が申請することによってその義務が免除される日

「有給休暇」、「夏季休暇」、「育児休暇」などは、「労働義務がある日」に休みを申請しますよね。当然ながら「休日」に「有給休暇」を申請することはできません。

・「法定休日」と「法定外休日」

さて、実は「休日」には「法定休日」「法定外休日」の2種類があります。

労働基準法第35条では、労働時間の限度を原則として「1週40時間以内」かつ「1日8時間以内」とし、「休日を1週に1日以上与える」ことを定めています。
このように、休まないと法律違反になってしまう休日を「法定休日」と呼んでいます。
(※ただし毎週1日の休みを与えることが難しい場合には、就業規則に定めることにより、4週の間に4日以上の休日を与えても構わないという例外措置が認められています。)

最近では多くの会社が土・日が休みの週休2日制を導入していると思います。また、創立記念日を「休日」にしている企業もあるかもしれません。
このように「毎週1日」もしくは「4週4日」の「法定休日」以外に会社が定めている休日を「法定外休日」と呼びます。

・休みの日に出社したのに、「休日労働」にならない!?

「法定休日」と「法定外休日」ですが、「どうせ休むんだからどっちでもいいじゃないか!」、「こんなに細かいことまで理解する必要があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも実は、この2つの違いはとても重要なのです。
というのも、どちらに「休日出勤」をするかで「休日出勤手当」の金額が変わってくるからです。

労働基準法では、休日労働を行った場合には「35%以上の割増賃金」を支払うことが定められているのですが、これは「法定休日」に働いた場合に限ります
(前提として、「法定休日」に「休日労働」を行うには使用者と労働者の間に「36協定」が必要です。)

例えば土日休みの会社で土曜日に出勤した場合、同じ週の最初の日曜日に休んでいれば、「週1日」の「法定休日」が確保されています。
(1週間の起算は日曜日なので、日曜日から土曜日の間の「1日の休日」が法定休日となります。)
そうなると土曜日は「法定外休日」となるため、この日の出勤は「休日労働」とは見なされず、「35%以上の割増賃金」の対象にはなりません。
(もちろん就業規則により「法定外休日」でも「35%以上の割増賃金」を支払うことは問題ありません)

ただし、多くの会社では月曜から金曜まで普通に働いた上で、土曜日にも出勤するとなると、「1週40時間」という法定労働時間を超えることになります。そうなると時間外労働(週に40時間を超える分の労働時間)になるので、時間外手当てとして「25%以上の割増賃金」がつくことになります。

「法定休日」と「法定外休日」のどちらに「休日出勤」を行うかで給与が異なるというのは、意外と知られていないのではないでしょうか。できればどの日が「法定休日」になるのかルールを明確にしておくことが望まれます。

・「振替休日」と「代休」

次に「休日出勤」にまつわる事柄として、冒頭でお話した「振替休日」と「代休」のどちらをとるか、という問題があります。
「振替休日」と「代休」は意味が取り違えられていることが多く、場合によっては同じものとして扱われてしまっていることも少なくないようですが、法律上では扱いが全く異なります。

「振替休日」=「休日」を事前に「労働日」に変更し、その代わりに他の「労働日」を「休日」にすること。

ポイントは事前予告。つまり、あらかじめ休日と労働日を交換しておく、というのが「振替休日」です。
注意しなくてはならないのは、「振替休日」の場合、法定休日の日曜日に出勤したとしても、その日は既に労働日に振り返られているため休日出勤にはならない、ということです。「35%以上の割増賃金」の対象とはなりません。

「代休」=休日労働が行われた後に、その代わりとして他の「労働日」を「休日」にすること。

事前に休日と労働日が交換されているわけではないので、この日は「休日労働」になります。
法定休日の場合は35%、法定外休日の場合は25%の割増料金が支払われます。

「法定休日」に休日出勤をして、その後「代休」を取得した場合の賃金がどうなるのか、上記の例でみてみましょう。

① 時間あたりの賃金が1,500円であるAさんが、日曜日に8時間の休日労働を行いました。
 その場合の賃金は割増も含めて次の通りになります。

割増を含む賃金:1,500円×1.35×8時間=16,200円

② その後Aさんは、同じ週の水曜日に「代休」を取得しました。
 この日は労働日に休んでいるので、賃金が控除されます。

賃金控除:1,500円×8時間=12,000円

従って、この「休日出勤」に関して実際に支払われる給与は①と②の差額の4,200円となります。

③ もしAさんが代休を取得しなかった場合は、水曜日の賃金はそのまま、つまり

1,500円×8時間=12,000円の賃金が支払われることとなります。

「振替休日」の場合は給与について考慮する必要はありませんが、「代休」の場合は

  • 休日労働なので、割増賃金が必要となる
  • 「法定休日」か「法定外休日」かで賃金の割増率が変わる
  • 代休を取得した日の賃金は控除される

ということに注意しなくてはなりません。

(※厚生労働書のホームページにも振替休日と代休の違いが示されています。)

正しい「休日」・「休暇」の管理には、就業規則の整備&システム導入が不可欠

ここまで簡単に会社の「休み」・「休日出勤」について解説してきましたが、意外と複雑ですよね。正しく管理するにはかなりの手間が必要となりそうです。
特に「代休」の運用にあたっては、「代休」の取得期限をどうするのか、「代休」の代わりに「有給休暇」を取得することを許可するのかどうかなど、細かいルールを決めておかなくてはなりません。

これらを社員全員がミスなく運用し、人事担当者は一人ひとりの休日出勤の状況確認と「振休」・「代休」との相殺、休日割増賃金の計算、休暇日数の残管理をしなくてはならないと考えると、紙やエクセルの管理では限界があるのではないでしょうか。
書類の提出期限や内容の確認を行い、社員の問い合わせに対応するだけで人事担当者の一日は終わってしまいそうです・・・。

日々の忙しさのなかで時間をかけずにミスなく業務を行うためには、就業規則をしっかりと決め、社内に徹底させることはもちろん、システム導入を検討することも重要なポイントかもしれません。
システムを導入すれば入力ミスを防ぐことができますし、「振休」・「代休」・「有休」といったあらゆるケースにおける業務フローをコントロールすることができるので、個人が手間と時間をかけて判断しなくても、自ずと就業規則に則った運用を行うことが可能になります。

TeamSpiritでは、休暇申請や休日出勤、さらには残業申請などの各種申請がWEBワークフローで提供されており、休日出勤と「振休」・「代休」の自動突き合わせ、有給休暇の自動付与も可能です。当然、休暇や休日出勤の情報は勤怠管理とリアルタイムに連動するので、給与計算も簡単。「休暇」・「休日」の複雑な管理をエクセルで行う必要はなくなり、煩雑な業務が劇的に改善されます。

ちなみに、休日出勤の代わりに有給休暇を取得していたかつての私ですが、「代休」にしていたら少しだけ給与が減っていたかもしれません・・・。
労使ともに悪意はなくとも、このような細かいルールの適用で給与が変わることになるので、やはり社員全員がその内容をしっかりと理解しておかないと、必要のない誤解や不信感が生まれてしまいます。
むしろ従業員の誤った解釈やちょっとした計算ミスを恐れて、休日取得に関するルールを敢えて明示しないという、本末転倒なことを行っている企業もなかにはあるようですが、TeamSpiritを使えば、もちろんこのようなミスが起こることはありません。

TeamSpiritでは、図のように「勤務時間」や「休日」についてのルールをオープンにして、正しい給与計算を行うことができます。

最近新聞にも労務管理に関するニュースが毎日のように掲載されていますが、今後色々な制度改正が行われることを予想すると、正しい労働時間管理を手間なく行える環境を早い段階で整えておくことは、非常に大切なことかもしれません。
是非この機会に「休日」に関する就業規則と業務フローを一度見なおされてみてはいかがでしょうか?

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