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●領収書の束に悩まされる時代はもう終わり!?

突然ですが、皆さんにとって最も面倒な社内業務は何ですか・・・・・・?

恐らく、多くの方の頭に最初に浮かんだのは、「経費精算」ではないでしょうか。
毎月の経費精算は本当に煩わしいですよね。

  • 精算しなくてはならない領収書で、いつもお財布がパンパン
  • 経費精算のためだけに帰社、残業
  • ためこんだ領収書を片手に、エクセルに金額と使用目的を手で入力
  • 入力し終わった領収書をひたすらA4用紙にのり付け

などなど・・・・・・。
技術革新が進み、スマホひとつであらゆることができるようになったこの時代に、なぜ領収書ののり付けに追われなければならないのか。不思議といえば不思議です。

大変なのは経理担当者も同じです。

  • 入力されたデータと領収書の内容が合わない
  • そもそも領収書が貼られていない
  • どんなにお願いしても、期限までに処理をしてくれない人がいる

などなど・・・・・・。
確認だけでも時間がかかるのに、現場社員へのミスの連絡や申請の差し戻しなど、終わりのない作業に気が重くなる方も多いのではないかと思います。

長年にわたって、多くのビジネスパーソンを憂うつな気分にさせてきた経費精算。
そんな面倒な経費精算業務のあり方が今後大きく変わることを予感させるニュースが、先日新聞に掲載されました。

2015年11月19日 日本経済新聞 朝刊 (抜粋)
「政府・与党は従業員が経費精算のためにもらうタクシー代や飲食代などの領収書について、会社が保管する義務を2017年から緩める方針を固めた。 (中略) 現在もスキャナーで読み取って電子データを保存すれば原本を捨てられるが、17年からはスマートフォン(スマホ)やデジタルカメラ(デジカメ)で撮影した場合も廃棄を認める」

領収書をスマホやタブレットで撮影したデータさえあれば、原本は廃棄してもいい、というのです。
この規制緩和によって、何がどう便利になるのでしょうか。もう少しわかりやすく解説するために、ここで領収書電子化の歴史について簡単にご紹介したいと思います。

●なかなか進まなかった領収書の電子保存

実は領収書を電子データで保存できるようにしようという動きは10年以上前に始まっています。
2005年4月には「e-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)」という法律が施行され、それまで紙の保存が前提となっていた領収書などの書類を電子データで保存することが可能になりました。

ただし、これには非常に厳しい条件が課せられていました。
例えば

  • 領収書に関しては額面が3万円未満のもののみ(3万円以上は領収書原本の保存が必要)
  • 専用のスキャナで読み込まない限り、電子保存は許可しない
  • 事前に関連帳簿の所轄税務署長による電子帳簿保存法の承認が必要
  • 電子署名法に規定された電子署名やタイムスタンプが必要

など・・・・・・。

金額によって領収書の保管の仕方を変えなくてはならない、専用スキャナを用意しなければならない、というのは企業にとって負担が重く、領収書の電子保存は全くといっていいほど現実的なものではありませんでした。

その後、2015年3月の「e-文書法」改正で金額基準は廃止され(領収書、契約書のすべてをスキャナ保存の対象にすることができるようになりました)、所轄税務署長による事前承認なども不要になりました。
ただ残念ながら「専用のスキャナで読み込まない限り、電子保存は許可しない」という条件に変わりはなく、企業の背中を後押しするほどの規制緩和とはなっていません。
現在のところはまだ、営業担当者が外出先で経費精算をしたいと思っても、オフィスまで領収書を持ち帰り、専用のスキャナを使用してデータ化しなくてはなりません。またTeamSpiritをはじめ、スマホで領収書を撮影して経費精算できるサービスが既に登場しているものの、領収書原本の廃棄までは認められていないため、領収書ののり付作業から解放されているわけではありません。

参考:
国税庁ホームページ
 ・電子帳簿保存法が改正されました(平成17年)(PDF/172KB)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/01.pdf
 ・電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されました(平成27年8月)(PDF/3,132KB)一般社団法人 日本経済団体連合会 「税務書類の電子保存に関する報告書」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/02.pdf

●原本がその場で廃棄できるようになれば、年間3000億円以上のコスト削減につながる!?

現状の経費精算では、領収書の回収や保管も大きな課題となっています。 領収書などの帳簿書類はその事業年度の確定申告書の提出期限から7年間の保存が原則となっており、多くの企業が物理的な場所の確保や必要なくなった領収書の廃棄に大変な手間をかけています。経団連の試算では、領収書や契約書などの税務書類の保存コストは、経済界全体で年間約3,000億円にのぼるとされています(※1)。

もし前述の報道のように、スマホの撮影データで領収書が電子保存できるようになれば、原本の保管コストや倉庫への移送コストが一切必要なくなります。また領収書ののり付け作業や、データの突き合わせ作業にかかっていた人件費も削減できるなど、企業にもたらすメリットは莫大です。
領収書の電子保存を積極的に進めたい企業にとっては、大きな壁が取り除かれ、一気に効率化が進むことになりそうです。

さらに領収書の電子化は、人々の働き方にも大きな変化をもたらします。
スマホの撮影データが認められれば、スキャナでデータ化するためだけに帰社する必要はなくなり、外出先でもスマホひとつで経費精算を完結することができるようになります。すきま時間を使って経費精算を済ませることができれば、日常業務の負担はかなり減り、本来の業務に力を発揮できるようになるのではないでしょうか。営業活動の効率化や在宅勤務やサテライトオフィスを有効活用にもつながるでしょう。

2005年のe-文書法の施行から約10年。領収書の電子化がようやく現実的なものとなった今、企業にとっては、業務改革の大きなチャンスが訪れているといっても過言ではないでしょう。

※1 一般社団法人 日本経済団体連合会 「税務書類の電子保存に関する報告書」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/018report.pdf

●スマホで撮影できればOKか? 注意しなければならないことも・・・・・・。

さて今回の規制緩和を機に、経費精算システムの導入を検討する企業も少なくないかもしれません。
ただ業務が手軽になる分、注意しなければならないこともあります。

2015年の「e-文書法」の改正では要件が一部緩和された代わりに、次のような要件が新たに追加されています。

国税関係書類の作成又は受領からスキャナでの読み取りまでの各事務について、次に掲げる事項に関する規程を定めるとともに、これに基づき当該事務を処理すること

  • 相互に関連する各事務について、それぞれ別の者が行う体制(相互けん制)
  • 当該各事務に係る処理の内容を確認するための定期的な検査を行う体制及び手続き(定期的な検査)
  • 当該各事務に係る処理に不備があると認められた場合において、その報告、原因究明及び改善のための方策の検討を行う体制(再発防止)

つまり書類電子化にあたっての不正防止のため、複数の事務担当者が相互チェックを実施する、定期的に検査を行うなどの社内体制の整備が必要となったのです。

経費精算業務のシステム化にあたっては、ただスマホで領収書を撮影できればOKということではなく、法定要件を満たし、社内の内部統制の強化にもつながるようなシステムを検討しなければなりません。

●TeamSpiritに、スマホOCRを使った領収書管理の新機能が登場!ワークフローで、内部統制の強化も簡単に実現。

一般的な経費精算業務は、「社員の申請」・「上司の承認」・「経理の支払い」という一連のプロセスが、部署をまたいで進められています。この部門をまたいだ承認申請の流れを、いかに効率的かつ不正や間違いのないように進めていくかが内部統制の実現につながります。

TeamSpiritの「経費精算」は、申請・承認・精算・仕訳・振込の一連のフローがすべて統合されており、簡単なワークフロー設定で、急ぎの承認申請も外出先からで実行できます。入力内容の自動チェックや、不正・遅滞がなくなるようシステムで制御することで、現場社員から経理担当者まで、ミスなく手軽に業務を遂行することができるのです。

さらに今回、TeamSpiritはスマホやタブレットのカメラで撮影した領収書の内容を、OCR(画像データから文字を解析する機能)で自動的にテキスト化する機能をリリースしました。

例えば営業担当者が外出先で、スマホを使って領収書を撮影すると、金額・日付・店名などの領収書情報が、項目ごとに自動入力されます。
営業担当者は補足の情報のみを入力すればよく、経理担当者は営業担当者が申請した内容と添付された領収書の画像を確認し、勘定科目や口座などを入力すれば、そのまま取引として保存できます。もちろんワークフローの設定によって、複雑な承認プロセスを追加することも可能です。

TeamSpiritを活用すれば、経費精算プロセスの効率化に加えて、領収書の電子化から保管までを一気通貫で実現できます。しかもクラウドサービスなので、最低限の投資で、完全なペーパレスに向けて大きく前進することができるのです。

●TeamSpiritユーザー企業の約96%が導入効果を実感!

最後に、チームスピリット社が2015年10月に実施したユーザー企業へのアンケート結果についてご紹介したいと思います。今回は、とくに「経費精算」機能を使用している約150社についての結果をグラフに示しました。(各グラフについては、回答内訳から「利用していない」を除いて集計しています)

【TeamSpirit導入前】 経費精算について「利用者」一人平均の「月間」の作業時間を教えてください。

【TeamSpirit導入後】 経費精算について 「利用者」一人平均の「月間」の作業時間を教えてください。

TeamSpirit導入前に、1時間以上作業している利用者の割合が40%だったのが、21%に減少していることがわかります。

【TeamSpirit導入前】 経費精算について 「承認者」・「経理」一人平均の「月間」の作業時間を教えてください。

【TeamSpirit導入後】 経費精算について 「承認者」・「経理」一人平均の「月間」の作業時間を教えてください。

部下からの申請を承認する上司や経理担当者については、TeamSpirit導入前は作業に16時間以上かかる企業が41%あったのに対し、導入後は25%へと減少しています。

また自由記入欄では

  • web 上でメンバー、マネージャー、人事担当が勤怠、経費情報を共有できるようになったので作業が楽になった。
  • WEB 上で承認できるため、承認者が遠方にいる時にスムーズ。
  • 経費精算はエクセルを利用していたのですが、営業のような外出の多い人は入力に時間がかかっていた。そこが改善された。
  • 細かい制度改正に対応できた。
  • 今まで稟議と事前申請といったワークフローが整備されていなかった部分が、出来るようになった。
  • 精算がどこからでも出来るようになった。
  • 経費精算のフローがシステム化されたことで、イレギュラーが無くなった。
  • 経理部としては、仕分け入力が楽になった。

などの回答がありました。

さらに、「TeamSpirit全体として導入効果はあったか」の質問には、約96%の企業が「あった」と回答しています(経費精算を使用していない企業も含む)。

TeamSpirit全体として導入効果はありましたか。

社内業務のシステム化については、投資効果があまり見えないことから、ためらう企業も多くあったように思います。しかしアメリカや韓国に比べて電子化が遅れている日本でも、今後は規制緩和を含め、さまざまな環境が整っていくことが大いに予想されます。
グローバル競争で勝ち抜いていくためにも、システム化をはじめとする業務の効率化は必要不可欠。ちょっとした気後れが手遅れにつながってしまわぬよう、是非、早めの対策を検討してみてはいかがでしょうか。